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香川に住んではじめたこと

「次世代にリレーする事業をつくる」
無双地図(むそうちず) 創業メンバー

カフェのスタッフとの写真
カフェのランチは、移住者が得意料理を披露し、移住者と地域のコミュニケーションも図る。
森さん(右)と、取材日のランチ担当、東京から移住した永井さん夫妻。

 香川県に来る前、森さくらさんはケニアの旅行会社で働いていた。千葉県の新興住宅地で育ったが、街の風景の味気なさや満員電車での通勤になじめず、24歳でケニアに向かう。そこでご主人と出会い、結婚して出産。ケニアの生活が10年を迎える頃、子育ては日本でしようとご主人のふるさとである三豊市に移り住んだ。

 「1年目に、久しぶりに体感した冬の寒さと、仕事も友人もない孤独に絶えられず、実家に帰った事もあるんですがすぐに、おむすび山と静かな海があり、おばあちゃんたちの井戸端会議の声が聞こえる三豊が恋しくなりました」。

 自分の居場所づくりの必要性を感じ、それからはアンテナに引っ掛かる場所を次々と訪ねては友だちをつくり、その友だちを介してさらに興味深い人や場所との出会いを重ねた。「三豊は面白い」という気持ちがどんどん高まり、三豊観光大使、地元ラジオ局の地域レポーター、任意団体「みとよ100年観光会議」の副会長と、気が付けば地域の魅力発信が仕事になっていた。

 現在働く「無双地図」は、ゲストハウス、観光ガイド、カフェ、地域の食の紹介と提供、の4事業を行う。雇用創出も狙いで、これら事業による地域活性を目指している。「桜の美しい紫雲出山(しうでやま)、ウユニ塩湖のような父母ヶ浜(ちちぶがはま)。地域の人たちが、昔から手間暇かけて維持してきた観光資源を生かし、次世代にバトンを渡せる事業に育てたいんです」。

 三豊に住んで11年、仕事に家事に子育てに奮闘する森さん。毎日、とんでもなく慌ただしいと話す笑顔は、充実感に輝いている。

森さくらさんの写真
森さくらさん
北海道生まれ千葉県育ち。短大卒業後、東京の旅行会社に就職、1997年に日本人がオーナーのケニアの旅行会社に転職。2007年に帰国し、三豊市での生活が始まる。次男を出産して、現在は2児の母。

外観の写真

ゲストハウスの写真
古民家を改装し、事務所兼、カフェ兼、一棟貸しのゲストハウスに。紫雲出山ハイキング、いりこ漁とうどん打ち、発酵食品の工場見学などの観光ツアーも提案。* Photo:無双地図

無双地図スタッフの写真
無双地図は、地元愛の強い2人の三豊出身者と、2人の移住者で、昨年4月にスタートした株式会社。* Photo:無双地図

「地域食アテンダント」事業の写真
地元の食材を使い、地域で昔から食べられて来た料理を現代的にアレンジして提供する「地域食アテンダント」事業。地域の女性らが調理で活躍。* Photo:無双地図

カレーランチの写真
カレーランチ担当の永井さん夫妻は、オーガニック野菜の栽培を始めて1年目。「将来は、自分たちの作った野菜でカレーを作るのもいいですね」と、夢は広がる。

料理の写真
* Photo:無双地図