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香川に住んではじめたこと

「夢以外にも大切なものができました」
人形劇師見習い

人形を飾った展示室の写真
「人形劇ミュージアム」の、約800体の人形を飾った展示室にて。他にも、四国の伝統人形芝居や、アジア・ヨーロッパの人形の展示、懐かしの「ひょっこりひょうたん島」のレプリカ人形の展示も。

とらまるの写真

 東かがわ市には、人形劇ミュージアムと人形劇場を併せ持つ「とらまるパペットランド」があり、高野(たかの)大吾さんはそこでスタッフとして働いている。

 北海道の札幌市出身。小学3年生の時、学芸会で原案作成と主役を務めた劇が大盛況で、役者の夢を見始める。進学を機に上京し、27歳で文学座の養成所に入所。念願の役者修業だったが、力不足を痛感し、1年で札幌に戻った。ある日、何気なく出向いた人形劇の公演で人形がいきいきと動くさまに感銘を受け、人形劇師が新しい夢になる。香川県に人形劇の学校があることを知り、移住を決めた。

 ところが、「とらまるパペットランド」の中にある学校が、移り住んで1年で閉校になる。海外に武者修行に行こうかとも考えたが、残って働かないかと誘われ、何とも言えない居心地のよいこの地から離れられなかった。

 北のふるさとより星空が鮮やかで、空気もうどんもうまい。仲良くなった煎茶サークルの80・90代のおばあちゃんたちはパワフル。この地では自分の未来までも明るく感じられる。「ここを自分の居場所にしたいと感じ始め、若い異性とも知り合おうと、市が主催する縁結びイベントに参加したんです」。そこで運命の女性と出会い、結婚して2年になる。

 「夢が変わったというか、一番じゃなくなったというか」と、現在の高野さんは語る。「人形劇師の技を磨く。家族を増やして楽しく暮らす。元気をくれる地域の人に恩返ししたい。どれもかなえる方法があると思うんですよ」と、大切なものが増えた今、より大きな幸せの実現を目指し模索中だ。

高野大吾さんの写真
高野大吾さん
人形劇師見習い。「とらまるパペットランド」のスタッフとして、来場者に人形の操り方や作り方を教え、ミニステージで人形劇を上演することもある。

マリオネットを糸で操っている写真
来場者と一緒にマリオネットを糸で操る。最初は人形を怖がる子どももいるが、その子どもを笑顔にできた時は、仕事に一番喜びを感じる。

人形を操っている写真
芝居の経験があるだけに、人形のセリフを話しても言葉がはっきりと聞き取りやすく、感情表現も豊か。

展示室の写真
舞台セットで人形を操り、テレビモニターで見ることができる展示室。

ワークショップの写真
簡単な人形作りのワークショップもある。「人形には、子どもも大人も夢中にさせる魅力があります」と高野さん。

人形劇場とらまる座の写真
「人形劇ミュージアム」は全国的にも珍しい施設。隣接する「人形劇場とらまる座」では、日本中のプロの人形劇団が1年を通して公演し、海外の劇団が公演を行うこともある。