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香川に住んではじめたこと

「香川の野菜に魅了されて」
食と農業のライター・コーディネーター

小池よう子さんとさぬきのめざめの写真
柔らかく甘味のある香川オリジナル品種のアスパラガス「さぬきのめざめ」の生産者を取材。
「採れたてはみずみずしく、生でもおいしいんですよ」と小池さん。

アスパラガスの写真

 東京生まれ、東京育ちの小池よう子さん。短大卒業後は、出版社で雑誌や本の取材・編集を行い、28歳で独立した後もバリバリと仕事をこなしていた。それが一転、ご主人と高松市に移住して8年目になる。

 移住後すぐに出合ったのが、香川の野菜。葉ゴボウ、三豊ナス、金時ニンジンなど、見たこともない野菜が季節ごとにスーパーに並ぶ光景に驚いた。東京で農産物に関する取材もしていたので、「固有の野菜がある、その土地に根付いた食文化は面白い」と、生産者を訪ねるうち、「炭谷(すみや)ゴボウ」を知る。通常の栽培期間の約2倍となる9カ月をかけ、滋味深く育てる炭谷ゴボウ。生産しているのは、1組の高齢者夫婦だけで、後継者がいなかった。地方の現状を発信したいと東京の食の専門誌に企画を持ち込み、ゴボウ作りの様子を1年間連載でレポート。それを機に「香川の野菜や食文化の魅力を伝える仕事をしよう」と心に決めた。

 小池さんの活動は次第に広まり、農家や市場、小売店など、さまざまな団体や企業から「情報発信に協力してほしい」と声が掛かるようになった。現在は、地元雑誌で伝統野菜を紹介する連載を持ち、農家のおばあちゃんを講師に招いて若い世代と郷土料理を味わうイベントを開催。地域の農産物を()かした加工品のコーディネーターでもある。

 地域にとって欠かせない人になった今も、「掘れば掘るほど、次々に面白い何かが現れます」と、香川の野菜と食に胸を躍らせ続けている。

小池よう子さんの写真
小池よう子さん
2010年に夫婦で香川に移住。ちょうど第1回瀬戸内国際芸術祭の開催年だったので思う存分島々を巡り、島も大好きになった。

炭谷ゴボウの写真
高松市南部の塩江町で特産品として親しまれてきた「炭谷ゴボウ」。生産が絶えないよう、地域の次世代が新たに栽培に挑戦し始めた。

取材中の写真
この日は高松の生産者・河田薫さんを取材。生産者から直接、栽培の苦労やおいしい食べ方などを聞き、それを広く知らせることが仕事だ。

香川の郷土料理を味わう会の写真
「香川の郷土料理を味わう会」の様子。「郷土料理は郷土野菜と深い関係があるので企画しました」と小池さん。

冊子の写真
青果市場の団体「香川県卸売青果ネットワーク」からの依頼で、季節ごとに香川ならではの野菜を紹介する冊子を制作。