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【香川から世界へ】世界に誇る文化\[オリーブ牛]

日本を代表するプレミアム黒毛和牛 Olive-fed Wagyu Beef オリーブ牛

オレイン酸を含む「オリーブ牛」は、
ヘルシーな上にほのかに甘く、
コクがあるのにさっぱりとして、
肉質は柔らかい。
この貴重な黒毛和牛は、世界でも注目されている。

ラベルの写真
「オリーブ牛」とは、讃岐牛銘柄推進協議会が定めたオリーブ飼料を規定の期間と量を与えた香川県産黒毛和牛のことである。

「ピオーネのコンフィチュールを纏ったオリーブ牛フィレ肉の低温調理 エスニックな香り さぬき赤ワインソースで」の写真

「ピオーネのコンフィチュールを(まと)ったオリーブ牛フィレ肉の低温調理 エスニックな香り さぬき赤ワインソースで」

2016年秋に開催した「特別美食会〜讃岐牛・オリーブ牛とさぬき食材〜」での松原シェフの作品。

 香川県小豆島は、日本におけるオリーブ栽培発祥の地として知られているが、この島ではすでに西暦700年、天皇の命令により官牛を育てていた記録がある。1882年(明治15年)には、全国に先駆けて和牛の肥育を始め、大正時代には「讃岐牛」の愛称で呼ばれるようになったという。その「讃岐牛」に、島特産のオリーブを飼料化して与えたのが、「オリーブ牛」である。

 当初、オリーブを牛の餌とすることには大変な苦労があった。さまざまな試行錯誤の末に現在は、「オリーブ」も「オリーブ牛」も香川県各所に広がり、世界発信を果たしている。 

 2010年に誕生した「オリーブ牛」は、2年後にマカオに初輸出したのを皮切りにシンガポールやパリに進出。2015年イタリアで開催されたミラノ万博では、絶賛を博した日本館においてオリーブ牛肉うどんとしても紹介された。

ミラノ万博の写真
ミラノ万博でのオリーブ牛肉うどんの紹介

「オリーブ牛ミスジ肉の軽いポシェ仕立て オリーブ牛と讃岐コーチンのコンソメジュレと共に」の写真

松原シェフ作「オリーブ牛ミスジ肉の軽いポシェ仕立て オリーブ牛と讃岐コーチンのコンソメジュレと共に」

オリーブ牛は、ヒレやロースはもちろん、ミスジなどの各部位のおいしさも際立っているという。

 一方、ヨーロッパでは和牛への理解が広がるものの、テロやユーロの問題で足踏み状態であった。それが今春からは再び活発に輸出の動きが出てきた。オリーブ牛の魅力を知り、ヨーロッパで手掛けてくれた一人が、オリヴィエ(Olivier)氏。Olivierとは、まさにフランス語でオリーブのことである。わがことだと、展示会やセミナー、商談に携わり、輸出のきっかけを作ってくれた。そうした尽力により、ヨーロッパでの展望も明るい。

 また、情報の発信基地であり、世界的な食のブームが生まれるアメリカ・ニューヨークでも、オリーブ牛は高い評価を受けている。昨年秋にニューヨークで開催された食をテーマにした映画祭に「オリーブ牛/和牛」のプロモーションビデオが放映され、ニューヨーク屈指のウェブサイトで公開されたオリーブ牛の取材フィルムへの関連アクセスは83万件を超え関心の高さがうかがえた。さらに、アメリカの金融情報紙大手のブルームバーグ通信で組まれた「世界のベストステーキ」の特集で、日本から唯一紹介されたのが「オリーブ牛」であった。このニューヨーク進出を仕掛けたのが日本食の海外プロモーションを手掛ける鈴木裕子氏である。「試食会では、さっぱりとした脂身にどんな反応が返ってくるか心配でしたが、『これはおいしい!』という声がストレートに返ってきました。『オリーブ牛』は希少ですから、時間をかけてでも、本当に価値が分かる方にお届けし、確実に評価を上げたいと願っています」と語ってくれた。

 ニューヨークでの展開にシェフとして協力したのが高松国際ホテルの松原勉洋食総料理長であった。「『オリーブ牛』の一番の魅力は牛脂です。爽やかで独特の軽やかな香りやうま味があり、全く臭みがありません。また、海外では、与えた飼料にこだわる人が多いのですが、オリーブと聞いて、さらに高い評価が返ってきます」と語る。

 シェフ自身がほれ込むという「オリーブ牛」。工夫を凝らしたオリーブの飼料で大切に育てられたブランド牛は、流通、店舗、レストランなど、さまざまな愛情を受けて、今、世界ブランドとして歩み出したばかりだ。牛歩であるかもしれないが、確実に大器晩成を目指す大物なのである。

ジャン-ジョルジュ東京の写真
photographs by Daisuke Nakajima

ニューヨークの三つ星レストラン「Jean-Georges」で日本人初のスー・シェフとなった「ジャン-ジョルジュ東京」の米澤文雄総料理長も腕を振るった特別美食会では、ニューヨークのシェフや現地メディアの方々にオリーブ牛を堪能していただいた。