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【香川から世界へ】世界に誇る逸品][製麺機]

“SANUKIUDON”世界ブームの兆し その陰に製麺機あり!

うどんの写真

和食ブームを追い風に、ニューヨークを中心に注目されている「ジャパンヌードル」。
すでにラーメンは激烈な競争を繰り広げ、次は「UDON」ブームの到来とささやかれている。
中でも知名度が高いのは「讃岐うどん」。明日のグローバルスタンダードを目指し、
「讃岐うどん」の世界進出も加速度を増しているようだ。
そうした中で、海外展開を陰で支えるものがある。それは製麺の機械。
そこで、「讃岐うどん」の聖地に生まれ育った二つの企業を訪ね、世界への歩みを伺った。

うどんブームを支えて50余年

 三豊市高瀬町に本社を置くさぬき麺機は、1910年の創業。1965年にうどんの「足踏み代用機」を開発したのが、製麺機の世界に入るきっかけとなった。現在、香川県立高等技術学校から「さぬきうどん科」の職業訓練を委託され、3カ月コースの年2回、訓練生に知識と技術を伝授している。

 「ブームというのは、たいてい一過性のものですが、讃岐うどんにはすでに4回ものブームが訪れています」と語るのは、さぬき麺機の岡原雄二社長。最初のブームは、1970年に開催された大阪万博がきっかけだった。おそらく参加77カ国の人々の中には、初めてうどんを食べたという人がいたに違いない。この頃は、讃岐うどんを機械で作ることに大きな抵抗があった。しかし、その後の脱サラ・転業ブームでうどん店の開業が増え、これにより製麺機に目が向けられることになる。そこでさぬき麺機は、1976年に「さぬきうどん技術研修センター」を開設。素人でも開店できるノウハウが培われていく。これが、後の海外進出の大きな手助けとなった。90年代には冷凍の讃岐うどんが全国的にヒット。コシのある讃岐うどんのファンが急増し、世界にも進出する。そして、2002年頃からのブームが今なお続き、海外にもファンが増えつつあるという。

 現在、さぬき麺機では海外での出店事業の支援にも力を入れ、毎年、アメリカやオーストラリアの展示会に参加、今年はインドネシアでも展示を行った。やはり、今はラーメンに興味のある人が大半だが、実際にうどんを試食すると、「ぜひ、うどんも扱いたい」という答えが返ってくるという。さらに、世界のニーズは多様だ。国を超えて関心が高いグルテンフリーや低糖質、カロリーオフや無塩うどんと、健康に配慮した新たな麺作りにも挑戦している。

NRAショー2017展示会の写真
アメリカ(シカゴ)NRAショー2017展示会にて
うどん・ラーメンの試食、製麺実演で大きな反響があった。

世界で本物のブームを起こす

 瀬戸大橋を望む宇多津町に本社があるのは大和(やまと)製作所。1975年に創業し、現在は国内8カ所のみならず、韓国、シンガポール、ニューヨーク、パリにも拠点を展開。2015年には、創業者である藤井薫社長の長年の夢であったという「一般社団法人インターナショナル麺ソムリエ協会」を設立。うどんのみならず広く日本の麺文化の普及にも努めている。

 「讃岐うどんに感動し、店を開きたいという人が世界各国からやってきます」と語ってくれたのは、三井暁海外事業部長。ところが、うどん店どころか飲食店経営の経験もない人が少なくない。もちろん、国内にもそうした人は大勢存在する。そのため、讃岐うどんそのもののレクチャーにとどまらず、失敗しない経営の手法も伝授する必要があった。そこで、2002年に「大和麺学校」を開校。実際の店舗運営でより役立つ技や知恵を伝授できるようにし、年中無休のメンテナンスにも取り組んだ。その結果、小型製麺機においては、国内トップシェアを誇り、現在は世界トップを目指す。

 海外展開の大きなネックは、原料の小麦粉にあるという。どんな小麦でも讃岐うどんが作れるわけではない。麺作りに適切な小麦粉を見つけることも成功の秘訣(ひけつ)である。また、讃岐うどんの特徴とはいえ、いりこだしは海外で受け入れられないところもある。その土地に合わせたアレンジも必要だが、本来の讃岐うどんのおいしさが伝わらなければ、一過性のブームになってしまう。

 「UDONブームの波は確かに来ています。そして、今UDONといえば讃岐うどんの知名度が圧倒的に高い。それだけに、今こそ本物の讃岐うどんを世界に伝えたい」と、三井部長は熱く語った。

 一昔前は、讃岐うどんといえば手打ち、機械など考えられないという時代があった。しかし、その技術は驚くほど進化し、手打ち麺に勝るとも劣らない食感を実現している。今や、世界が讃岐うどんを認める時代。手打ち、機械を問わず、お互いが切磋琢磨(せっさたくま)し、聖地にふさわしい「SANUKIUDON」を発信し続けるうどん県でありたい。

藤井社長の写真
世界の人々にうどん店の極意を伝授する藤井社長